「自在の書」(その16)

第一章  こころの葛藤 

#15
似たような因果を持つ者同士がグループを形成するとありますがもう少し具体的に教えてください。

⇒ひとが創る因果の内容は大別していくつかのグループに分けられます。そしてグループを形成することで互いに支え合ったりすることをしてこころを成長させているのです。

あなたの因果はなかなか自分では気づかないので相手の行動で教えてくれたりと無意識のうちにお互いで協力をし合ってこころを成長させるのです。

これは因果を消す一例でもあるのですが、例えばAさんがBさんに何度言っても言うことを聞かない、例えば掃除をしない、なんでしないのかを毎回小言のように口うるさく伝えても直りません。それはBさんがAさんからの言葉の意味を理解する前に感情的にうるさいとしか感じないためです。でもある時にBさんに対して怒っているのは自身(Aさん)の思い通りにならないわたし(Aさん)の我の強さだと知り、小言を言うことでBさんに嫌な思いをさせていることに気づき、怒ってばかりいないで自分ですればよいと思い、Aさん自身が掃除をするようになったところ、その後に何週間かしたらBさんは自分でできる限りのことをしてきれいにするようになりました。

もうおわかりでしょうがこれは掃除をしないBさんが悪いわけではありません。Aさんの口うるさい小言でBさんにいつも嫌な思いをさせていたAさんの因果であることに自分で気づき、消すことができた一例です。一方でBさんも掃除をしなければならないことはわかっていたのです。ただ素直になることができなかっただけなのです。このようにしてお互いに「気づき」を与えているのです。

もちろんAさんがBさんに対して「一緒に掃除をしようか」と誘って楽しくできればもっと良いのですが、こちらはとても勇気のいることです。