理(ことわり)の書(その6)

第5章 感情の世界

「言葉が創りだす想像の世界」

これまで因果は感情から生まれるとして伝えてきましが見かたを変えれば、この現世もまた感情から創り出される世界とも言えます。

われわれひとの感情が善や悪となる精神のエネルギー体を創り出してきました。
正義という名のもとに争いが行われ、憎しみの感情による輪廻がいまも続いています。憎しみや妬みの感情が集まって強い邪念となり、同じようなこころをもつひとに宿り脳やこころを侵食するようになることも先ほどより伝えています。われわれは一般的に邪念が集まったエネルギー体を鬼や悪魔と呼び、善の意思あるエネルギー体を神さまや仏さまと呼んでいます。

もう少し深掘りをしてみましょう。
先の続きで遥か彼方の世界では神さまには善悪の概念などなく、更にその先にあるのが「無」としています。この現世は因果の世界、いわゆるひとの感情から生まれた世界です。ゆえに天国も地獄も然りすべてひとが創り出した感情の世界です。地獄ではひたすらに戒めとして嘆き・悲しみ・苦しみ・憎しみ・妬みをイメージした世界であり、一方の天国では嬉しい、楽しい、幸せとした地獄に対して優越感に浸る世界を創り出しています。なぜ天国が優越感なのかといえばあくまでも地獄の言葉に対比した世界というだけです。

天国や地獄の世界とは言葉を想像したイメージの世界でしかありません。そしてその言葉を創り出しているのはひとの感情にほかなりません。ひとの感情が創り出した言葉によるイメージの世界です。このように意思を持った言葉を言霊と呼んでいます。

幸せで満足するのではありません。地獄のイメージに対する優越感の言葉で満足しているのです。この天国に代表される言葉はすべて先ほど羅列した地獄で味わうとされる感情の言葉の対比でしかありません。そして天国で味わう感情もまた因果の原因の一つになりうることを知ってください。嬉しい・楽しい・幸せの言葉は己の欲により更なる優越感を得るために欲望を満たそうとします。

ひとがこの感情というものを持ち合わせている以上、因果を創り出しこの輪廻は続きます。ただその中でも因果を知りこの世界が感情から創られる世界であることに気づくべき人は自らの因果を乗り越えてこころを成長させてゆくのです。常世が中心であり因果の世界とはこころを成長させる修練の場あることを知るのです。

この現世は感情によって映し出される世界ですが、逆にどのようにも創り変えられる世界とも言えます。それはこれまでの歴史が証明しています。

ひとの感情は言葉と同時に行動を引き起こします。あなたが信じるべきはあなたの目の前で起きていることはあなたが起こしていることであり、それがあなたの因果であるということです。他人に惑わされてはなりません。この現世はみながそれぞれの抱える因果が集まった世界です。そしてみなさんの因果を実体化しているだけです。この現世が因果の世界と言われる所以です。常世から観たら現世の実体も想像でしかないのです。

子どもの頃に自転車で坂道を登っているときにこんなに大変な思いをしないでもっと簡単に自転車で登れればいいのにと思っていましたが何年後かに原動機付自転車ができました。今ではガソリンからバッテリーに代わり電動アシスト自転車となっています。このようにしてひとの感情が発端となり創られたものです。いまわれわれの目の前にあるものはすべてこうだったら良いのにという感情で創られてきたものです。このようにして現世は感情から創られている世界としているのです。

精神世界のイメージはあなたが夢を見ているときの感覚です。夢を見ているときに実体としての身体はありませんがはっきりと意思があり情景をイメージしています。また夢で起きていることはあなたの感情による想像であり、あなただけの空間であり、あなただけの世界です。

この事実は因果が現世を創り出しているというひとつの例えです。
ひとの感情がこの現世を創り出しているのです。

・現世はひとの感情で創られている世界
・因果はひとの感情で創られたもの
・すべてはひとの感情で創られた実体です

以前にも伝えましたが感情とは脳が判断をしています。脳で生まれる感情は過去の経験値によりこころを惑わして我の強さや欲深さを大きくしてゆくのです。

ただそれとは別に脳で考えたことは様々な進化を遂げてきたことも事実です。ただ見た目が便利になっただけでわれわれひとが生きる本質は何も変わりません。食べること、子孫を残すことなど・・・生きるために必要なことはそのままです。

現存するものはすべてに効率・便利といった役割があります。携帯電話は通信手段として発展してきました。PCのマウスはPCを効率よく作動させるための機器として、紙、ペン、消しゴムなど・・・すべて役割がありひとの感情によって創られてきました。

ですがわれわれひとにとってもっとも大切なことはこころの成長だけです。そのこころの成長とはひとが創り出した感情から生まれた因果を消してゆくことです。この現世でわれわれがしなければならないのはこころの成長(因果を消すこと)が根本であることを理解しなければなりません。

脳が創り出す感情は自らの身体で五感により生み出されるものです。こころは成長するためにそれぞれにこころが最も成長する環境で生まれ育ちます。こころの成長度合いに応じて生まれる感情は因果を創り出します。この現世にある事象はすべてわれわれの脳で考えた感情が生み出したものです。さまざまな感情が入り乱れているので当然に不条理であって当たり前であり、敢えて不条理を創り出すことでこころを成長させているとも言えるのです。

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